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オフィス原状回復における判例のまとめ!あなたの契約は大丈夫?

公開日:2019/11/15  最終更新日:2019/09/09

オフィスビルを賃貸した場合に、トラブルになる可能性が高いのが退去時の原状回復義務についてです。

民間の賃貸住宅の退去修繕に関しては、国土交通省から原状回復におけるガイドラインが作成されてかなり浸透してきていますが、オフィスにおいては異なる取り扱いがされることもあり、実際に退去する際にお互いの認識がずれていることに気がつくのです。

東京高裁の判例について検証

オフィスビルの場合にどのような取り扱いがされるかは、実際の判例を見てみると良く分かります。東京高裁で平成12年12月27日に判決が出た事例を見てみましょう。この判決では、オフィスビルにおいて賃借人が通常損耗部分についても原状回復義務を負うとする特約が有効であるという判断が下されました。

その主な理由は、一般的にオフィスビルの賃貸借契約では、次の賃貸人に貸す必要があることから退去時に壁紙やクロスや照明器具などを取り替えることがあり、その範囲まで賃借人に原状回復義務を課すことが多いことが挙げられます。さらに、オフィスビルの賃貸借契約では賃借人の使用方法によって退去時の原状回復にかかる費用が大きく変わります。

このように、使用方法によって退去修繕費が大きく変わるものについては、契約時に締結する特約で明確にしておくことで賃借人の負担とすることが可能であるとされたのです。もちろん、この事例では賃借人の負担とすることが特約に明記されていたことがポイントで、もしそのような記載がない場合や明確でない場合には、賃借人が負担するものではないことは注意が必要です。

なお、この東京高裁の判決では、国土交通省のガイドラインの適用の有無が議論となりましたが、判例では本ガイドラインは民間の賃貸住宅を対象としたものでありビルの場合には適用されないとされました。

平成17年の最高裁判決について

賃貸借契約の退去時における最も有名な判決が、最高裁判所平成17年12月16日判決についてです。この事例はオフィスビルではなく、民間の賃貸住宅を対象としたものですが、判決の中で賃借人に通常損耗部分についてまで原状回復義務を負わせることは、賃借人に対して予期せぬ支出を強いることになるため、特約などで明確に賃借人の負担であることが示されていない限りは通常損耗部分は賃貸人の負担であるとされました。

この点は、賃貸住宅において通常損耗は当然に想定されていることであり、通常損耗の補修費は家賃に含まれていることが一般的であることが理由とされています。この判決は当時社会問題となっていた退去修繕費のトラブルに対して、最高裁判所が初めての判断を下したということで大きな話題となりました。

この判決を契機に、一気に賃貸人負担への流れが加速し、賃借人が不測の損害を受けることが大幅に減少したことは想像に難くありません。

これに対して、平成12年の東京高裁の判決では、オフィスビルには市場経済の原理が妥当するため民間の賃貸住宅とは異なる判断を当然にすべきであると示されましたので、最高裁判所の判決とは一線を画するものとなっていますが、最高裁判所の判決はオフィスビルを含めた一般の賃貸借契約にも妥当する考え方とも取れますので今後の判断にも注目が集まります。

平成25年の東京地裁の判決について

オフィスビルの賃貸借契約における退去修繕の義務について争った事例として、東京地方裁判所平成25年3月28日判決があります。この事例では、賃貸人が国土交通省が定める原状回復にかかるガイドラインは民間の賃貸住宅においてのみ妥当するものであり、オフィスビルには適用されない旨を主張しました。

しかし、東京地方裁判所は、確かに本ガイドラインは民間の賃貸住宅を念頭においているものではあるが、本オフィスビルにおける賃貸借契約書では賃借人の特別な使用に基づく損耗が生じた場合には賃借人の負担であると定めていることから、その点においては民間賃貸住宅となんら変わりがなく、したがって国土交通省が定めるガイドラインは本件のようなオフィスビルの賃貸借契約でも妥当するという判断をくだしました。

つまり、平成17年の最高裁判所の判決と同じように、通常損耗に対してまで賃借人の負担とする場合には契約時の特約事項において、その旨や範囲が明確になっていなければならないと判断したということです。

この判決は平成12年の東京高裁の判決とは反対のものであり、オフィスビルの賃貸借契約であっても最高裁判所の判決が大きな影響を与えたものと言わざるを得ませんしたがってオフィスビルではこれまでは賃貸人に有利だった内容も、これをきっかけとして潮目が変わってくるのかもしれません。

 

結論としては通常損耗部分まで賃借人の負担とさせることについては、明確な合意があれば可能であるとされています。逆に言えばその範囲や内容について誰の目から見ても合意が明らかになっていなければ、原則どおり賃貸人の負担になることは注意しておかなければなりません。

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